ゆらめく憂鬱

もったりクリームみたいな

ひざ下セーラー服

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こんばんは。笑顔!極上!スマイル!ゆらめきちゃんです。

すてきなすてきな

人生で初めて彼氏ができた。同じクラスの、サッカー部のゴールキーパーの男の子。1年から2年にかけてぐっと背が伸びて、すらっとしてるんだけど筋肉質。日焼けが似合って、ぱっちり二重で、まつ毛も上向き、鼻筋がくっきり通ってて、わたしはすっごく美形ですてきな子だと思った。けど、女の子からは、恋愛対象としては見られてなかったみたい。

 

答えは単純で、彼はすっごい悪ガキだったから。

お勉強がとにかくできない。やらない。提出物や宿題も滞りがちで、ノートをのぞいたことがあるけど、字だって酷いものだった。カバンの中でテストの成績表が真っ二つになっていた時は素直に引いた。ほんとにとんでもないやつだった。

 

今思い出しても笑っちゃう。給食の時間、彼は好きな女の子をバラされてしまった。それも教室中に。みんなが給食を配膳している中、クラス中にわたしの名前と彼の名前が響いた。叫んだ彼の友人は、いったいなにがしたかったんだろう。

 

こうして彼の恋は一瞬でクラス中に広まることとなった。もちろんその噂にはわたしも巻き込まれた。彼のことを好きだったらしい知らない女の子から、露骨な嫌味を言われた覚えがある。隣のクラスの、気が強そうで、ちょっとギャルっぽいかわいい子だった。わたしは全然あか抜けてなかったから、さぞ気に入らなかったことだろう。女から嫉妬されるゆがんだ気持ちよさは、このあたりで学んだ。わはは。

 

なんで彼はわたしを好きになったんだろう?付き合った時も、成人式で再会した時も教えてくれなかった。「好きになるのに理由なんかないだろ。」彼はいつもかっこつけてそう言ってた。わたしのかわいい初恋の理由はもう、永遠にわからないんだろうなあ。

 

でも実はひとつだけ心当たりがあるんだ。初めて彼と話した時、わたしはふと眼鏡をはずした。運動部を選んだから、入部した5月ごろからコンタクトにしたのだけれど、4月のわたしはまだ眼鏡をかけていた。

目の前で眼鏡を外した瞬間、彼の時が止まったことが、わたしにもわかった、気がした。一瞬の違和感のあと、どうやって会話が終わったか覚えていない。驚いたみたいな顔をされて、なんだかそれからわたしたちはぎくしゃくしてしまった。

ひざ下セーラー服の当時は困ったけど、今ならよくわかる。少女漫画かよ。

夏だった

お互い全然素直になれなかったけど、なんだかんだすごく仲良しだった。1年生の秋ごろから、1年以上続いたと思う。

わたしは学級委員だったから、集会に向かう時、みんなを並ばせなきゃいけない。なのにわざとぎゃあぎゃあさわいで邪魔してくるのも、当時の韓流ブームにのっかって「サランヘヨー!(愛してる)」って叫んでくるのも、部活の後ちっちゃくバイバイってするためだけに体育館裏で待っててくれるのも、家が反対方向なのに送ってくれるのも、恋人つなぎにつなぎなおしてくれるのも、どんどん背が伸びてすらっとしていくのも、夏祭りの後、はじめてキスしてくれたのも、今なら素直になれる、全部全部ぜーーーーーんぶ好きだった。

 

制汗剤のにおいがして、きみが好きだって言ってくれたポニーテールで、スカートもちょっと短くして、靴下の絶対領域は死守で、きみは着崩したワイシャツで、夏休みの午後で、部活のあとで、学校の裏で、手をつないで歩いてて、高い高い青空だった。

 

 

 

 

 おしまい